オレは極悪逃亡犯だ。
カージャックから人質誘拐、何だってやってみせらぁ。
・・・でもトゲトゲモンスターだけは勘弁な・・・。(CV:飯塚昭三)
今回紹介するのは、2008年に制作された低予算クリーチャー系ホラー映画『ダスク・オブ・ザ・デッド(原題:Splinter)』。
Splinterとはトゲ(主に木片などを触った時に手に刺さるアレ)という意味で、まぁこの映画のネックと言えるクリーチャーにちなんだタイトルになってます。
まずは予告編↓
ストーリーは単純明快。
若いカップル(インテリ男と根性ネェちゃん)が田舎の林道をドライブ中、犯罪者カップル(短気なバカ男とヤク中女)にカージャックされ人質に。
→ガソリンスタンドに立ち寄るも、何故か無人
→スタンドのトイレで体中にトゲが生えてグチャドロになったスタンド店員発見、そして”ソレ”が襲い掛かってくる!!
→パニック状態でなんとかスタンド内に逃げこむも、得体のしれないバケモンがいるから外に出られねぇ~!! どうしよう!!?
という感じw
全編を通して登場人物が、若いカップル、犯罪者カップル、スタンド店員(トゲトゲ君)、そして定番の”犠牲者ホイホイ”の獲物となる警官の計6名しかおらず、”少人数”、”密室での出来事”という具合に、低予算映画の教科書みたいな作りで100点満点!
実は本作は、スクリームフェスト・ホラーフィルム・フェスティバルで6部門受賞し、サターン賞にもノミネートされた由緒ある映画。
…が、別にそんな細かいことはどうでもいい!w
本作の見所はクリーチャー&痛い痛い描写!!!
低予算映画なのにクリーチャー&ゴア描写を頑張る頑張るw
間違いなく予算のほとんどをスプラッター映像制作につぎ込んでいるであろう傑作!
で、その肝心のトゲトゲクリーチャーとは一体どのようなものなのか?
映画の肝であるこの魅力的なクリーチャーの設定を語る上で、どうしてもネタバレ風味を醸し出してしまうんですが、その辺は気にせずに!
予告編がストーリー展開の全てを語っているのでネタバレもクソもありはしないw
上でも書きましたが、この作品のウマ味はストーリーではなく、スプラッター描写であります!
登場人物の一人であるインテリ男は、生物学の博士課程の学生という設定で、劇中その偏差値を活かしトゲトゲ君の生態についていろいろ仮説を立ていきます。
- トゲ一本一本が個体として行動可能。1本でも刺さるとそこから感染(=トゲ増殖)が始まる。
- 養分を求めて行動し、知能は皆無。本能のみによって行動&増殖するカビやキノコのような生物。
- 養分を代謝すると排泄物として黒いネバネバを出す。
- 獲物の体温を感知して襲ってくる。
基本的な生態はこんな感じ。
今回の”養分”とは当然ながら人肉を意味し、本能のままに襲ってくる!
どうやら養分の大きさ=寿命ということらしく、劇中では養分不足になるのを防ぐ目的か、犠牲者(の死体)のちぎれた部分同士がトゲトゲ君の連結能力によって次々と合体し、物体Xさながらのグチャグチャ具合に!w
途中、ドアに挟まれて切断された手の部分のみがカタカタ動いて襲ってくる描写もあり、アダムス・ファミリーのハンド君も真っ青!!
これらの描写のほとんどを、CGを使用せず着ぐるみとアニマトロニクスによって表現している点も映像的に説得力があり吉!
次に痛い痛いシーンの見所はというと、こういう”寄生系クリーチャー映画”のお約束シーンである”仲間の中に実は感染してる奴がいる“という展開w
トゲトゲ君に寄生された人間はその生死に関わらず、何故か関節が逆にひん曲がって関節という関節がペロペロになってしまう症状を発症!
本作では、犯罪者の男が指に1本トゲが刺さることで徐々に感染が腕を伝って広がるんだけど、指や肘の関節がバキバキ折れ始める。
これもCGではなくダミーハンドと小気味の悪い効果音で非常に心地悪くさせられるw
感染が肘の関節まで来たところで流石に隠し通せなくなり、腕の切断を決意!
「さぁ斧を一振りして切っちまえ!」というのが大抵の映画の展開だけど、この映画は違う! そう簡単には切断させねぇ!!
あたりを見回すも、所詮ガソリンスタンド、斧なんか無いのである。
やっとこさ見つけたエモノはというと……なんとカッターナイフ!! しかも刃が短けぇ~~!!!!ww
ここで生物学の博士課程のインテリ男が「オレに任せろ!」とばかりに切断を試みる!
まずはブスッとカッターナイフを上腕二頭筋の真ん中部分に突き刺し、前後に刃を動かしながら腕を一周し皮膚や筋肉部分を切断!!!
苦痛のあまり泣き叫ぶ犯罪者男!!!!
・・・と、ここでとんでもないことに気が付く!
「って言うか、カッターじゃ骨切れなくね?」
えぇ~~!!?アンタそれでも博士課程で学んでいるインテリ!!??ww お前、ぜって~博士号取れねぇ~~w
…と言ったところで今更後には引けないのである。なんとか骨を切断せねば!
あたりを見回し、でっかいコンクリートブロックを発見するインテリ!!
「1、2、3で行くぞ!」と大きく振りかぶるインテリィ~!!!!
3つ数えた後、それを腕めがけて振り下ろすインテリィィィィィ~~~!!!!!!
ゴギャ!!
何とも言えない骨折音と共に、犯罪者男の少女の様な悲鳴が美しい森林の中へと消えていくのであった………。
…というシーンを隠すこと無くハッキリと見せてくれるのがこの映画の素晴らしいところ!!
昨今の出し惜しみするスプラッター描写にイライラさせられてる「ちまスプ」部員諸君にも自身を持ってオススメしたい!
是非とも入手して、オススメシーンの全貌を自分の目で確認を!
といった感じで、今後もヨーロッパ在住という地の利を活かし、日本未ソフト化作品をできる限り紹介して行きたいと思っている所存です。
ヨロシク!
Written by Sgt.T[@Roughneck_Ape](ヨーロッパ支部長)