ネズミゾンビジャケット

存在感ある渋めの演技が特徴のニック・ダミチと、
本作が2本目の監督作となるジム・ミックル
親友コンビが放つ、
異色の疾走系感染者ムービー。

 

製作費約50,000ドル、日本円にすると当時のレートでだいたい580万円という超低予算で製作されたこの作品。念のため低予算の度合いを比較すると、『ロボゲイシャ』の予算がだいたい2,680万円くらい。監督がブログでギャラ込でこの予算だったんだから低予算だからっ!って言ってたけど、『ネズミゾンビ』の方は家族や親戚、友達をかき集めて、ほとんどノーギャラで撮影したんだって。というわけで、低予算でかつかつだったとのこと。

 

真夏のマンハッタンで、狂暴化したネズミに人が噛まれる事件が多発する。
まもなく被害拡大の防止措置としてマンハッタン島が隔離されるが、やがてネズミに噛ま
れた人々が発狂し、次々と人間を襲いはじめる。リトル・イタリー地区のマルベリー通り
にあるアパートの住人達は必死の攻防戦を繰り広げるのだが……

 

【楽しめるかも】

  • 28日後…』が好きなひと
  • 真面目なつくりの作品に好感をもつひと
  • 群像劇が好きなひと

【楽しめないかも】

  • ゾンビ物はスカッとしたラストがいいなって思うひと
  • クリーチャーがでてきて銃を撃ちまくる映画を求めてるひと

 

ネズミゾンビ9
ご存じの通り、邦題で損をしている映画って結構あって、この作品もそのひとつ。
『ネズミゾンビ』っていうタイトルからはおよそ想像もつかないくらい、繊細な人間描写と親子と友人と感染者が描かれてる。

朝陽が照りつける中、元ボクサーで床屋のクラッチは早朝ランニングを終えてマンハッタンのリトル・イタリー地区にあるマルベリー通りのアパートに帰ってきた。最近では不動産業者による再開発が進み、歴史の古いこの地区もその渦中にある。クラッチの住むアパートもいよいよ取り壊しが決まって、入り口には立ち退き勧告のチラシが掲示されていた。ネズミゾンビ10部屋に戻り留守番電話を再生すると、アフガンで負傷して退役軍人病院に入院している娘のケイシーから「今日退院して帰る」という内容のメッセージが入っていた。朝のテレビは地下鉄で乗客が狂暴なネズミに噛まれたというニュースを伝える。折しもアパートの地下室で水道管修理をしていた管理人のロスはネズミの死骸を見つけ、悪態をつく。
そんな風に、物語の前半はマルベリー通りの住人たちの生活が描かれる。

クラッチは面倒見のいいやさしい男でアパートの住民から頼りにされている。そんな彼に思いを寄せるのはゲイのココ。退役軍人病院を退院してくるケイシーのためにケーキを焼いたり、なにかとクラッチの世話を焼く。同じくクラッチに興味を持つシングルマザーのケイには、学校をサボりがちのオットーという息子がいる。昼間からバーで酒を飲むチャーリーは、病気の親友フランクと一緒に暮らしている。そんな彼らの住むアパートの管理人ロスは、口は悪いが真面目に仕事をこなす男。
朝の走り込み、ご近所付き合い、酒を飲んだり、TVを見たり、ずる休みしたりと何気ない彼らの日常。そんな中に溶け込むように、ちょっとずつ伏線が張られる。

ネズミゾンビ2 大都市の地下、不衛生で何がいるかわかったもんじゃない。わけのわからない病原菌や未知のウイルスが日々生まれているかもしれない。もし、過去に大流行して人類を恐怖に陥れた病気みたいにネズミが媒介していたら?大都市にはネズミがつきものだし大変なことになるよね。
 で、起きます、大変なこと。狂暴化したネズミに襲われた人々がネズミっぽい風貌の感染者になります。突然変異するの。想像以上にネズミっぽくなる。はじめは顔や耳からネズミ風に変わっていき、症状が進むと背骨が曲がり、四足歩行になる。そんなネズミ病感染者たちが群れをなして襲ってくるんだからとにかく強烈なんだよね。
 
 監督のジム・ミックルは根っからのホラー映画マニア。でも、こと映画製作に関してはホラーマニア向けな作品をつくることにはあまり興味がないらしい。どちらかといえば人間ドラマに重点を置いた、サスペンス要素の強いホラー作品を作りたいようで、『ネズミゾンビ』は『ミーン・ストリート』や『タクシードライバー』といったマーティン・スコセッシ作品の影響を受けているのだそう。
 共同で脚本を手がけた主演のニック・ダミチはジムの古い友人で、いつか2人で映画を製作しようと夢を語り合っていたんだって。もちろんその夢を実現しようと計画を練ってはいたものの、実際に動き出せなかった2人。そこに現れたのが、管理人もロス役で出演もしている俳優のティム・ハウスネズミゾンビ4彼は友人だったジムとニックに資金調達と製作の協力を申し出たのだそうです。
 さて、いよいよ本格的に映画製作に乗り出すために脚本を用意する必要があった彼ら。ニックが以前書き上げた「田舎が舞台のゾンビ映画」の脚本を「都市部が舞台のネズミゾンビ映画」に書き直しました。田舎から都市部に舞台を変更したのは、ジムとニックがニューヨークの演技派俳優達にあかるく、また撮影場所としても利用しやすかったからなのだそう。脚本に引き続き、予算や撮影期間といった難関をクリアして、夜間のゲリラ撮影もなんのその、友達や家族総出でやっとこ出来上がったのが『ネズミゾンビ』なのです。
 と、そんな念願叶っての作品ということもあり、愛と熱意がこもっているのが観ていてよくわかる。

 マルベリー通りの貧乏住人クラッチ、襲いくる感染者と戦うもない。武器は唯一己の拳。もちろん敵とは肉弾戦。なにそれ、なにそれ、ちょうクール。派手な銃撃戦なんてないし、爆発だってほんのちょいだけど、ストイックな男が魅せる魅せる。
 そして前半の日常描写がじわじわと効いてくる、アパートに立てこもる住人たちの人間模様。信頼し合い、助け合い、支え合う。お互いをいたわりながら、懸命に生き抜こうとする様子がなんだか切なくて目が離せない。
 迫りくるネズミ病感染者の群れ……彼らはいったいどうなってしまうのか。気になったあなた、ぜひ『ネズミゾンビ』をご覧ください。
 

ネズミゾンビ11
 

Written by はるひさ[@haruhisa1212](部長)
2015年5月5日 ブログ掲載

 

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