エイリアン
【1979年製作/アメリカ映画/117分/ドルビーステレオ】

 

商業用宇宙貨物船ノストロモ号の乗組員が謎の惑星からSOS信号を傍受。
惑星を探索すると難破した宇宙船に遭遇。
船内で無数の卵を発見した乗組員ケインの顔に未知の生物が付着。
時間が経過するとケインの顔に貼り付いた生物は外れ死んだ昏睡状態から目覚めたケインが突然苦しみだし胸を食い破って出てきた
蛇のような生命体は脱皮を繰り返し巨大なエイリアンへと成長。
逃げ場のない閉鎖された空間を舞台にクルーが一人ずつ
殺されてゆく…。果たして無事生還できる者はいるのか?

 

 

■スタッフ■

◆監督:リドリー・スコット

◆脚本:ダン・オバノン

◆製作:ゴードン・キャロルデビッド・ガイラーウォルター・ヒル

◆製作総指揮:ロナルド・シャセット

◆撮影:デレク・ヴァンリント

◆音楽:ジェリー・ゴールドスミス

◆エイリアン・デザイン:H.R.ギーガー

◆エイリアン・ヘッド製作:カルロ・ランバルディ

◆フェイスハガー&チェストバスター製作:ロジャー・ディッケン

◆コンセプト・デザイン:ロン・コッブ

◆美術:マイケル・シーモア

 

★キャスト★

シガニー・ウィーヴァー【リプリー】
シガニー・ウィーヴァー【リプリー】

トム・スケリット【船長ダラス】
トム・スケリット【船長ダラス】

ジョン・ハート【ケイン】
ジョン・ハート【ケイン】

イアン・ホルム【アッシュ】
イアン・ホルム【アッシュ】

ヴェロニカ・カートライト【ランバート】
ヴェロニカ・カートライト【ランバート】

ハリー・ディーン・スタントン【ブレット】
ハリー・ディーン・スタントン【ブレット】

ヤフェット・コットー【パーカー】
ヤフェット・コットー【パーカー】

ボラジ・バデジョー【エイリアン】
ボラジ・バデジョー【エイリアン】

 

ナメクジが這うような速度でしか進めない宇宙空間に
放り出された人間が絶望的な死を迎えるだけの素晴らしいシチュエーション。
卑猥でグロテスクな生物が顔に貼り付きタマゴを植え付けられ
体内で化け物が成長
。挙句の果てに臓器を食い破って出てくる
こんな死に方するなら自殺した方がマシと思えるくらいの嫌悪感!

武骨なノストロモ号のデザイン、船内も美術が凝りに凝りまくっており
冒頭に登場するキッチンには見覚えのあるコーヒーミルが!
バック・トゥ・ザ・フューチャー』で
デロリアンの後部に搭載されていたゴミを燃料にする
“ミスター・フュージョン”の原型でもある
実在するドイツ製コーヒーミルそのものが置かれているのです。
コーヒーミル

 
キャラクターの衣装も宇宙貨物船が飛ぶ時代にしては
古臭く特にブレットが着ているアロハシャツや
ランバートが履いているウエスタンブーツなど
妙に現実的な面が感情移入しやすく、人間模様が
丁寧に描かれているのが1作目の特徴。
宇宙服は大昔の潜水服みたいな重々しいフォルムですし
後頭部の管から二酸化炭素がシュー!と
噴出す描写なんてたまらなく好きなんです。
宇宙服この衣装は通気性が悪く初期の段階でジョン・ハートが
窒息しかけたのだとか…。
引きの画ではセットを大きく見せるため
リドリー・スコット監督の息子が
代役として演じているのは有名です。
 

H.R.ギーガーが創造した不快感を
醸し出す異質のビジュアル。
エイリアンの卵が並んでいる別の異星人が乗っていた
宇宙船入り口の形状を見てください。
まるで女性器そのもの。つまり探索に行く乗組員は精子で
その中で受精したのがケインだったと言う解釈もできます。
宇宙船入り口
 

それにしてもエイリアンに襲撃され
化石になった異星人(スペースジョッキー)って巨神兵並みに
デカくないですか?この異星人がエイリアン(ややこしw)に
負けるとは到底思えないのもまた想像力を
かきたてられてゾクゾクするんですけどね。

ケインが降り立った洞窟には無数のエッグチェンバーが
並んでいますが、その上に青白いレーザー光線のようなバリア!?が
張られていて、それに接触すると卵の中のフェイスハガーが
目覚める仕掛けなのでしょうか。
このレーザー装置は当時物珍しかったらしく
ライヴで使用していたバンドの“ザ・フー”から
監督がレンタルさせてもらったそうです。

1作目のエイリアンが子孫を残す手法は襲撃した獲物を
身動きできないよう体液で固め、何らかの方法で
その獲物をエッグチェンバーへと変態させるのです。
初公開版ではテンポが悪くなると言う理由から
削除されてしまいましたが、宇宙船の脚格納庫で
連れ去られたブレットダクトで襲われた船長ダラスが
繭にされている
場面があり、それら未公開だった
フッテージはディレクターズカット版で
確認することができます。
 

【発見したリプリーに「殺してくれ!」と懇願するダラス
【発見したリプリーに「殺してくれ!」と頼むダラス】

 

【頭部を破壊され絶命したブレットは早くも卵へ変化】
【頭部を破壊され絶命したブレットは早くも卵へ変化】

 
現在のように情報が溢れかえっていない80年代
シネフェックスというSFX映画のメイキングムックで
この未公開シーンのスチルや詳細が載っており
ファンの間で語り草となっていたのでした。

人間を卵に変態させる設定をジェームズ・キャメロン
エイリアン2』でクイーンが卵を産むという形に
改悪してしまったのが残念でなりません。
ブレット人間を仮死状態にし、食道へ卵を植え付け
宿主の体内で成長したチェストバスターは強引に胸を食い破り
脱皮を繰り返してビッグチャップへと成長。
そのビッグチャップが子孫繁栄のために再び宿主でもあった
人間を繭にするため殺戮を繰り返すと言う
身も凍る生殖形態が生理的嫌悪感を抱かせる
強烈なインパクトとして説得力があると思うのです。
まぁ2作目のドンパチも好きですが…。

回復したケインが空腹感を感じたのは寄生している
チェストバスターが体外へ出る前兆
なのでしょうか?
あの焼きビーフンみたいな宇宙食、彼らは地球へ帰ったら
本物を食べたいと言っていましたが、なかなか美味しそうに
見えるのは自分だけでしょうかね(笑)
 
食事

 

【エイリアンより恐ろしい
日系企業“ウェイランド・ユタニ社”の缶ビール】
【エイリアンより恐ろしい日系企業ウェイランド・ユタニ社の缶ビール】

 
ケインの胸に血が滲むシーンですが、最初のカットでは
シャツがはだけていたのにダミーの胴体を使ったシーンに
切り替わるとシャツが丁寧にズボンの中へ
仕舞われている編集ミスが確認できます。

チェストバスター誕生の際、ジョン・ハート以外の
役者は胸が爆発して大量の血糊が噴出するとは
知らされておらず本気で驚く生々しい表情が迫力を生んでいます。

中でも顔面に直接血を浴びたランバート役の
ヴェロニカ・カートライトは恐怖のあまり
転倒してしまう迫力のスプラッター映像が!
血の気が多いパーカーがスプーンの柄で
刺し殺そうとしますが、アッシュが止めに入ります。
あそこでパーカーが手を出していれば酸性血液で
負傷するかもしれませんが、被害拡大を
食い止められたの
ではないかと…。
 

ビッグチャップを演じた長身の黒人ボラジ・バデジョーの
美しくスリムな体型のおかげで着ぐるみ然とした
安っぽさを感じさせないエイリアンスーツ。
スーツと言ってもラバーで成型したパーツを体中に
貼り付ける手法を用いていますから身動きし易そうです。
飛び出す第二のアゴをクリエイトしたのは
イタリアンホラー界で活躍していた特殊効果担当
カルロ・ランバルディの手によるもの。
彼の代表作には『悪魔のはらわた』、『サスペリアPART2』、
キングコング』、『E.T.』などがありますね。
口周りの筋肉はコンドームを加工して貼っているのですが、
ギーガーが男性器をモチーフにデザインした頭部に
避妊具パーツを流用するとは卑猥度数100%…。
この辺の舞台裏は昔ソニーからメイキングビデオが
発売されていてテープが擦り切れるほどリピートしました。

 
シガニー・ウィーヴァーが実に若々しく美人ですねー♪
猫のジョーンズの毛とシガニーが顔に
塗布していたグリセリンとの相性が悪かったらしく
猫アレルギー症状を発症し皮膚が真っ赤に
腫れ上がってしまったのだとか。
エイリアン退治の作戦会議のシーンでシガニーの右頬が
腫れているのが確認できます。

火炎放射器は実物を使用しており
シェパトン・スタジオの屋外で
訓練を受けるスチルが残っています。
火炎放射器

 
ラストの脱出艇ナルキッソス号の中で
着替えるシーンが登場しますが、当初の予定では
ヌードを披露するはずだったそうで大変興味深い逸話ですw
しかしあの申し訳程度に身に着けたミニパンティ(笑)と
半ケツが良い塩梅な隠れ具合で興奮しますな。
ミニパンティ

無防備なリプリーの前でモゾモゾと動くビッグチャップ。
宇宙服に着替えるカットとビッグチャップの
第二のアゴが粘液をしたたらせながら出入りするカットを
交互に映し出す下衆なセンスには脱帽です。
小4の頃、荻昌宏さん解説の月曜ロードショーを家族全員で
観ていて目のやり場に困った記憶が…。

 
TV初放送は1980年のゴールデン洋画劇場。
吹き替え陣は、リプリー(野際陽子)、ダラス(前田昌明)、
ケイン(仲村秀生)※冒頭ナレーションも兼任、
ランバート(鈴木弘子)、ブレット(青野武)
パーカー(飯塚昭三)、 アッシュ(富田耕生)、
お袋さん※マザーの声(久保田民絵)。

フジテレビ版は他局でも流用され
この吹き替えで放送したのは97年6月の
ゴールデン洋画劇場が最後となっています。
 
もし惑星の土地が買える時代にこの作品が
製作されていたら、大規模な撮影セットをその星に組んで
永久保存したいくらい素晴らしい造形美!
平面なCG主流の今、本作を超越する同等の映画は
撮れないと断言できると思います。
想像も付かない斬新なアイデアから美術に特殊造形と
超一流のクリエイターが集結し極悪な異星人を描いた
映画史に残る名作を今一度見返してみては如何でしょうか。
 
集合スチル
 
 

Written by ネズミツオ[@yu131]
2011年11月18日 ブログ掲載

 

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