デッド·サイレンス
 

ソウ』シリーズの、ジェームズ・ワンリー・ワネルといえば、
ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の『CUBE』で印象的だったシチュエーションスリラーというジャンルに、
キャラクター性とゲーム性を加えることで爆発的に流行らせたコンビだよね。
その彼らが今度は、故郷の伝説にまつわる怪事件を追いかける主人公がひどい目に遭う、
バリバリの古典的ホラーを製作しちゃいました。

 

しあわせいっぱいの夫婦、ジェイミーとリサ。ある夜ジェイミーの元に、差出人不
明の大きな荷物が届く。開封してみると、中には薄汚れた腹話術人形が入っていた。
頼んだわけでもない腹話術人形が届いたことを不思議に思う2人だったが、さほど気
にする様子もなく、ジェイミーはひとり夕食を買いに出かける。
やがてジェイミーが買物から戻ると、ベッドルームにリサの惨殺体が。有力なアリ
バイがないジェイミーは当然ながら警察から疑惑の目を向けられる。
取り調べから解放されたジェイミーは家に帰ると、腹話術人形が入っていた黒いケー
スを隅から隅まで調べはじめる。そして布の下に記された故郷の名前「レイブンズ・
フェア」と、そこに伝わる女腹話術師メアリー・ショーの名前を見つける。
手掛かりは故郷にあると直感したジェイミーは、リサの死の謎を解明しようと故郷へ
舞い戻るのであった…

 

デッド·サイレンス4
【楽しめるかも】

  • 人形ホラーが好きなひと
  • 落ち着いたクラシカルなホラーが好きなひと

【楽しめないかも】

  • 血まみれで痛そうな視覚的ホラーを求めるひと
  • ソウ』のようなスピード感とエッジの効いた映像がみたいってひと
  • 人形にトラウマがあるひと

 

ソウ』は、映像もストーリーもスタイリッシュな新感覚スリラーだったけど、こちらは映像もストーリーもとてもクラシカル。
最近のホラーは、イーライ・ロスよろしく血糊まみれの真っ赤スプラッター作品がだいぶ増えてきた印象なので、この手のクラシカルなホラーって情緒があっていいよね。
とはいえ、やっぱりジェームズ・ワンリー・ワネルデッド·サイレンス1視覚に訴える痛いシーンも多少ありつつ、女腹話術師メアリー・ショーとその腹話術人形の謎や、失踪した子供といったような、ミステリー的な要素が盛り込んであってちょっとおもしろい。
しかもラストには、このコンビならではの「フラッシュバックによる回想シーン」もあったりして、なかなか楽しめます。
そりゃ、『ソウ』と比べちゃうとね、クラシックなぶん地味ではあるんだけどね。

舞台となるのは、なんともいわくありげな森に囲まれた古臭い田舎町と、その外れにある霧の漂う湖に浮かんだ劇場の残骸。
登場するのは薄汚れた腹話術人形、伝説の女腹話術師、しつこい刑事、車椅子の父親、後妻、葬儀屋。
もうね、完璧にクラシックホラー路線。どうやらジェームズ・ワンとリー・ワネルは古典回帰を目指してるみたいだ。(と、この作品をみた当時になんとなくおもったんだけど、その後の『インシディアス』で確信したよね。うん。)

デッド·サイレンス7そんな舞台で腹話術師の謎を追うのが、主人公ジェイミー役のライアン・クワンテン
妻リサの死の謎と気味の悪い人形の秘密を探る主人公を、落ち着いた演技で魅せてくれます。彼はこの作品が公開された当時は日本ではさほどの知名度はなかったのだけど、TVドラマで活躍するひとです。最近ではヴァンパイアドラマ『トゥルー・ブラッド』のジェイソン・スタックハウス役で知っているひとも多いかもしれない。映画だと、ザック・スナイダー監督のちょうクールなフクロウアクションアニメ『ガフールの伝説』のクラッド役で声の出演をしてました。

デッド·サイレンス2ジェイミーを容疑者として追っかけるリプトン刑事役には、『ソウ2』『ソウ3』のエリック・マシューズ役でおなじみのドニー・ウォールバーグマーク・ウォールバーグの兄ちゃんですね。
彼は『シックス・センス』のヴィンセント・グレイや『ドリームキャッチャー』のダディッツ役といった、とても個性的な役柄を見事に演じ切る素晴らしい役者さんで、この作品でも妙にうっとおしい刑事をばっちり演じてます。主人公に威圧的な態度をとったりするでもなく、さして嫌な刑事じゃないのに何かうっとおしい…と、そう思わせるところがすごい。

そして、さびれた町のおびえた住人代表、葬儀屋のヘンリー役で脇を締めるのが、マイケル・フェアマンです。彼も『ER 緊急救命室』や『ザ・プラクティス / ボストン弁護士ファイル』、『WITHOUT A TRACE / FBI 失踪者を追え!』といった海外ドラマのゲスト出演で見かける顔です。長い役者人生の経験を活かした演技が、とにかく素晴らしいです。とてつもない恐怖を目撃してしまった人の、おびえた様子が半端ないので、つられてハラハラしてしまいます。こういう役者さんがいると、物語に説得力が出るんだよね。

それにしてもこの『デッド・サイレンス』、ホラー映画にしては女性がメインに出張ってきません。もちろん女性は出てくるのだけど、その活躍は全体を通してかなり控え目。
主人公の妻リサ役には、こちらもドラマでおなじみのローラ・レーガン。彼女はなんか、出てきて早々に、なぜこの役を…ってくらいにすごいことになってます。
デッド·サイレンス5主人公の父親の再婚相手であるエラ役にはアンバー・ヴァレッタ。ホラー映画に欠かせない美女は、おそらくは彼女の役目かと思われます。それにしちゃ登場回数少ないけどね。彼女はウィル・スミス主演のラブ・コメディ『最後の恋のはじめかた』で、資産家の娘アレグラ・コールを演じた、綺麗な女性。その彼女が、優しそうだけど空気の読めない、いかにもな後妻を演じます。
 
 

デッド·サイレンス6とはいえ、この作品の一番の功労者は薄気味悪い腹話術人形達だよ。
メインになってくるのが「ビリーくん」。とにかく怖い。子供が見たらぜったいトラウマになるよ。目の動きがすごく怖いし、なんかカタカタ音もだす。この「ビリーくん」、ベーシックな腹話術人形なんだけど、汚れたメイクが施されていてものすごい怖い。ちょっと青白くなってるのとか、今にも襲い掛かってきそうなあやしさに満ちあふれてるの。
まあね、そりゃあ『ソウ』のゴールデンコンビですからね、腹話術人形が「ビリーくん」って名前になっちゃうのもしょうがないよね。
でもみんな気づいた? 劇中に2度、『ソウ』の「ビリーくん」が出演してたの。

始終クラシックな雰囲気ではありますが、終盤は駆け足に展開するこの作品。
全体を通しての伏線の張り方が甘いんじゃないかなと思う部分や、それまでの古典的な雰囲気に、突如フラッシュバック回想が入ったりと、どうしてもちぐはぐ感は否めない。
だけど、さびれた田舎町や朽ち果てた洋館に、いわくのありそうな伝説といったディディールを固めて、人形への潜在的な恐怖心をテーマにした魅力的な作品になっていました。
 

デッド·サイレンス3

余談だけど、私がオーストラリア映画(おもに2S1T作品のこと)がこれから盛り返すって思ったきっかけが『ソウ』だったんだよね。
ジェームズ・ワンリー・ワネルという、オーストラリア映画界から登場した親友コンビ(ワンはマレーシア生まれだけどね。オーストラリア育ちだから)に、衝撃うけちゃったわけ。
と、いうことで、これからもオーストラリア映画推しでいきますよー。
 
 

Written by はるひさ[@haruhisa1212](部長)
2007年12月7日 ブログ掲載

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